LOUD PARK 12 レポート(2012.10.27)※1ヶ月遅れてやっと投稿

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最近歯医者通いにつき、支出のバランスを取るため、いくつかのライブを断念せざるを得ない、それでも2013年3月のDELAINの初来日公演は絶対に行きたい@herrkfです。

このエントリーでは、2012年10月27日にさいたまスーパーアリーナで行われた、ヘヴィメタルのフェスティバル「LOUD PARK」をレポートします。
筆が遅いのと時間がないのとで、だいぶ時間がたってしまいましたが、やっとこさまとまりましたので、記事にしました。

※出来るだけヘヴィメタルを知らない人にも伝わるように書くことを心がけています。が、それでも「何のことだか分からない」表現が出てくることがありますので、ご了承ください。

まずは、入場から開演前の様子を

▼会場はさいたまスーパーアリーナ
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▼タイムテーブル
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▼ライブが始まると殆どぶっ続けなので、今のうちに「ケバブデラックス」¥800で腹ごしらえ
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▼メインステージ(左が「Ultimate Stage」右が「Big Rock Stage」
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▼サブステージの「Extreme Stage」。デスメタルやブラックメタルバンドといった、過激な音をだすバンドが出てきます(開場直後なので、流石にまばら)
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ここから先は、自分が観たアーティストについて、一言コメントしていきます。

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クリストファー・アモット 【満足度:72】

メロディックデスメタルバンドの筆頭格「ARCH ENEMY」の元ギタリスト。今夏、ソロアルバムを発表し、本格的にソロ活動をスタート。

2006年に始まったLOUD PARKに、ARCH ENEMYを始めCARCASSやSPIRITUAL BEGGERSで2011年まで毎年参戦していたマイケル・アモット。しかし今年は同時期にARCH ENEMYのヨーロッパツアーがあるため、参加できず。そこで白羽の矢が立った(?)のは、マイケルの弟のクリストファーでした。「彼が出演すれば、『アモット家』の連続出演は守られる」という不純な(?)動機で。

さて、印象ですが・・・。
流石にこれまで何百回というライブをARCH ENEMYでこなしてきただけあって、演奏はテクニカルで安定していました。
しかし、肝心の楽曲が、あまり観客には届いていない印象。パフォーマンスにもそれほど覇気がなく「どうかな~」と思わずにはいられなかった次第です。
メタルフェスにおけるトップバッターは「場」を盛り上げるという重要な役割がありますが、彼らにはちょっと難しかったと思いました。

そして、気の毒ながらも致命的なのが「ベーシストの不在」。
クリストファーがMCでも話していましたが、なんとベーシストがパスポート絡みの問題で来日出来なかったらしく、今回ライブではベースラインはバックトラックで間に合わせるとのこと。しかし、この短期間によくバックトラックを用意できたなあ。

後日、bayfmのラジオ番組「Power Rock Today」で、レコード会社の担当のM氏が事情を説明。今回の来日メンバーのベース担当は、SHADOWS FALLのギタリスト。ピザの申請のためにパスポートを大使館にを送った所、それが戻ってこなくて、土壇場で来日できなくなったとの事。そして、パフォーマンス中に流れたベースのバックトラックも、クリストファーの知人が超特急で作業して、前日の夜10時にトラックが届いたということです。涙ぐましいですね・・・。クリスには今回の出来事にめげないでほしいと思います。

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CIRCUS MAXIMUS 【満足度:94】

テクニカルでメロディアスで透明感のある楽曲が魅力のノルウェーのメタルバンド。

お目当てバンドその1。
自分は、彼らの出演発表まで、彼らの事は「名前くらいは知ってる」程度の認識でした。しかし、今回彼らの出演を知ってから音源を聴き、今夏に出た最新作「Nine」に魅了され、当日までの1週間は、こればっかり聴いていました。だから彼らには凄く期待していました。

内容は、最新作を中心に、旧作も織り交ぜたセットだが、美しい曲を美しい音と、美しい演奏でやる、この点に置いて、彼らは最高でした。
1曲目の「Namaste」に「おお、この曲で来たか!」と意表を突かれ、初めて聴く「Arrival Of Love」のイントロのキーボードサウンドにハッとし、新作でお気に入りの曲の1つ「I Am」で「おいおい、これを生で聴いていいのかよ!」と心のなかで叫び、最後の「Last Goodbye」で、心は幸福感で昇天。
個人的に期待していた曲「Reach Within」はありませんでしたが、それを差し引いても今回のLOUD PARKの最高のアクトの1つでした。
Twitterでの情報によると、強行軍での来日だったそうですが、それでもあれだけ素晴らしいショーを見せてくれてうれしい。単独公演を切に願うアーティストの1つです。

・・・その時までに、メンバーの名前くらいは覚えないとな ^^;

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HALESTORM【満足度:97】

凡百の男性ヴォーカリストを寄せ付けない、男勝りの超圧倒的な声量と歌唱力を持つ女性ヴォーカリスト「リジー・ヘイル」が中心のハードロックバンド。

お目当てバンドその2。
ライブ音源やライブ動画から、そのヴォーカルがものすごい事は知っていましたが、生で見たそれは、男勝りなんて言葉が生ぬるいレベルでした。リジー・ヘイル、通称「女セバスチャン・バック」。その歌唱を目の当たりにして素直に「これは格が違う、モノが違う」と感じました。特に「Freak Like Me」の間奏直前の「MEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!」は、完全にレッドゾーンを振り切るレベルの声で、卒倒しそうになるほど。
また、彼らはカヴァーアルバムを出しているので「ひょっとして」と期待していましたが、SKID ROWのカヴァー曲「Slave To The Grind」では、本家SKID ROWの元ヴォーカリストのセバスチャン・バックが乱入!リジーとのデュエットを魅せてくれるなど、フェスならではの豪華な演出もあり、最後まで凄さを叩きつけてくれたステージでした。このバンドも、単独公演を強く願っています。

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HIBRIA【満足度:86】

ブラジル出身の、正統派ヘヴィメタルバンド。楽曲が熱い!

このバンドは、ヴォーカルを含むメンバー全員のスキルが高く、安定してなおかつパワフルで圧倒的なパフォーマンスを見せてくれました。サプライ ズは、90年代のヘヴィメタルシーンの伝説「PANTERA」の「Cowboy From Hell」を演奏した事。オリジナルでは「ガナリ系」のヴォーカルでしたが、このカヴァーではきちんと「歌った」のは流石。ラストに演奏したのは、2ndアルバム収録の代表曲「Tiger Punch」。サビの大合唱は気持ちよかったです。

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DRAGONFORCE【満足度:89】

世界最速クラスのスピードを誇る楽曲が魅力のメロディックスピードメタルバンド。
今回は若干24歳の新人「マーク・ハドソン」が加入しての新編成。

ライブを見てまず驚かされたのが、バンドとしての「まとまり」や「安定性」が大幅に向上していたところ。自分は、いい意味で「これまでとは違うDRAGONFORCE」を感じました。
6年前にも彼らのライブを見たことがありますが、その時はメンバー(主にギターの2人)が超ハイテンションでステージを無茶苦茶に走り回っていました。自分はそれはそれで好きですが、確かに今の方が、バンドとして魅力があると感じました!
新加入のマークも、それまでプロとしてのキャリアはなかったそうですが、ライブを数多くこなしたのか、すっかりプロらしい動きを身に付けたようで、バンドにも溶け込んでいました。

最後まで見ていたかったのですが、別ステージの「1349」をどうしても見たいので、残り1曲のところでステージを移動。

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1349【満足度:86】

ノルウェー出身のブラックメタルバンド。その楽曲は、とにかく邪悪で過激。ドラミングのスピードはまさに鬼神レベル。

お目当てバンドその3。
ブラックメタルの本場ノルウェー出身&コープスペイント&容赦なきブラストビート。この3つの要素を兼ね備えた「マジモンのブラックメタル」が初めてLOUD PARKに現れるということで、かなり期待していました。
その期待通り、メンバーはブラックメタル特有のコープスペイントで登場!ギターは黒いローブに身を包んであやしげな雰囲気を放っていました。ヴォーカルは灰色のボディーペイントと両腕のとげとげのガントレットという、危ない匂いがプンプンするルックスでした。
そして演奏は、ドラムを中心に情け容赦なく突撃するブラックメタル。MCは一切なしという潔さ!
楽曲の中にひんぱんにブラストビートが登場しますが、それはまさしくモッシュピットを誘発する「号砲」でした。自分も、モッシュでもみくちゃにされながら、前方で首を振って右腕を突き上げまくっていました。
ただ、 1つだけ不満点。これはバンドのせいではないのですが、エクストリームステージは屋根が透明なため、1349が演奏する14:40頃はステージが明るい状態。彼らのライブは音楽が音楽なので、暗いところで見たかったなぁ、なんて思ったりもしました。

CRYPTOPSY【満足度:89】

カナダ出身のデスメタルバンド。複雑に変化する曲展開、突然顔をのぞかせるジャズアレンジ等、その楽曲は一筋縄ではいかない。

お目当てバンドその4。
現代のテクニカルデスメタルの最高峰。どんな演奏を見せてくれるのか楽しみにしていましたが、結果的に、このバンドのドラマーのフロ・モーニエのプレイに最初から最後まで釘付けになってしまいました。
そのプレイは、速さ、複雑さ、正確性、どれをとっても芸術レベル。
バスドラ連打の刻みの正確さはまさにドラムマシンのようで、目を疑わずにはいられませんでした。ドラムソロもセットリストに組み込まれていましたが、フレーズが終わるごとの観客の歓声がすごい!この人、ドラムソロだけでもお金が取れるんじゃないでしょうか(笑)。
ラストの「Phobophile」では、アリーナ前方にかなり大きなサークルピットが発生。観客が走っているときに起こる風がこちらにまで伝わってくるほど激しいものでした。
いやー、いいものを見た!

▼ちなみに彼ら、日本滞在時のドキュメンタリーをYouTubeに公開しています。

この後、再びメインステージに移動。
SONATA ARCTICAとIN FLAMESはそこそこに、HELLOWEENを観るためBIG ROCK STAGEのアリーナの端っこでスタンバっていました。
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HELLOWEENが始まる前から、反対側のステージでは、大トリのSLAYERのステージの準備が着々と
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HELLOWEEN【満足度:76】

80年代中期から活躍している、ドイツの大ベテラン。スピード感のある楽曲にメロディアスなヴォーカルを乗せた、いわゆる「ジャーマンメタル」の先駆け的存在。日本でも大人気。

お目当てバンドその5。
今回、一番楽しみにしていたバンドでした。楽しみにしていた理由は、BURRNのインタビューで、ヴォーカルのアンディ・デリスが「今回はMaster Of The Rings以降の曲を中心にやるよ」と発言していたこと。
※Master Of The Ringsはアンディ・デリスが1994年にバンドに加入して最初のアルバム。

元ヴォーカリストのマイケル・キスクが、彼の新バンドの「UNISONIC」でアンディ加入前の時代の名曲を「原曲通り」のキーとクオリティーで歌っているので、差別化のためにもコレはいい傾向かな、なんて当時は勝手に思ったりしていました。自分自身も、アンディ加入後のアルバムに特に思い入れが強いのもあり「アンディ加入後の3枚のアルバムから多くやってくれないかな」なんて期待もしつつ、ライブを迎えました。

が、フタを開けてみれば、意外や意外。ドラムソロを挟んだ中盤以降は、「I’m Alive」「Future World」「I Want Out」「Dr. Stein」と、1曲「Steel Tormentor」を除いて全てキスク時代の「初期の楽曲」。ライブを観ている時は「あれ?」の連発でした。

今考えると、これはフェス。色々なファン層、色々な世代が集うイベント。だからライブを盛り上げるためには、マニアックな選曲に走るよりも誰もが認める名曲をチョイスした方がいいと考えたのかもしれません。自分もこの考えは理解できます。

とはいえ、初期のメンバーのマイケル・キスクとカイ・ハンセンがUNISONICで当時のHELLOWEENの曲を「原曲通り」に再現している 一方で、キーを下げた「Future World」や「I Want Out」をやられても、とも感じてしまいます。自分の正直な感想は「なんだろう、名曲を演奏したはずなのにこの感動の薄さは・・・」でした。もちろん、事情を知らない人たちにとっては、今回のセットリストは最高のセットリストなのかもしれませんが。

ちなみにHELLOWEENは、2013年夏に、カイ・ハンセンのバンド「GAMMA RAY」とのカップリングで再び来日するとのこと。今回はフェスという事もあってか初期の曲が多めでしたが、次回の来日ではセットリストはどんなふうにな るのでしょうか。期待したいところです。

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SLAYER【満足度:94】

80年代前半から現在に至るまで、一切ブレる事無くスラッシュメタルを貫く、通称「スラッシュメタルの帝王」。

SLAYERを観るのは、コレが3回目。1回目と2回目の時も、LOUD PARKで観ていました。もう3回目ということもあって、観る前は「もう3回目だし、新鮮味もないからテキトーに流すか」とか「50歳近くの彼らが、今どこまでSLAYERを演じられるのか」など、今にして思えば無礼な事も考えていました。

しかし、今回観たSLAYERもまた、依然として「スラッシュメタルの帝王」でした。今回はモッシュには参加せずに、反対側のステージの左側の柵からじっくりとバンドを見ていましたが、そのパフォーマンスと演奏は、数年前に体験したSLAYERのままでした!

観客のノリも、まさにSLAYERのライブにふさわしいものでした。ライブ開始前に起こるダミ声混じりの禍々しい「SLAYERコール」。速い曲が始まれば爆発するモッシュピットやサークルピット。自分が3年前と6年前に見た地獄絵図が目の前でまた展開されて、テンションが上がらずにはいられませんでした!

前述のとおり、今のSLAYERのメンバーは、50歳前後。曲が曲、音が音ですし、彼らがSLAYERでいられる時間は、もうそんなに長くないのかもしれません。しかし、80年代前半にデビューし、それから30年近くぶれることなく邪悪で過激なスラッシュメタルを追求していることは驚異的としか 言えません。あと何年SLAYERが存在しているのかは分かりませんが、2012年10月27日に観たSLAYERは、間違いなくファンの思い描いている通りのSLAYERでした。

Long live SLAYER!

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